鑑賞兼虫駆除のため、我が家では食虫植物ムシトリスミレを育てております。
色々ネットで調べていても、育成に適した温度やら湿度やらがよくわからなかったので、生息地域から推定しようと考えました。
その結果をまとめます。
下の写真が、我が家のムシトリスミレです。
写真で見ると肉厚の緑の葉をつけるため多肉植物にも見えますが、タヌキモ属の食虫植物です。
多肉植物の多くは乾燥地帯に生息しますが、食虫植物の多くは湿原地帯に生息します。
1.食虫植物ムシトリスミレの生育地域
北半球の温帯から寒帯、南アメリカの高山、南極地方に約80種あり、日本には2種が生育する。
wikipedia 様より
一般的に国内ではP・プリムリフローラ(P.primuliflora)など北米産の暖地性のものと、アシナガムシトリスミレ(P.moranensis)やヒメアシナガスミレ(P.esseriana)など熱帯高山性のもの(メキシカンピンギキュラとも呼ばれる)が多く流通します。
㈱NHK出版 みんなの趣味の園芸 様より
メキシカンとのことでしたので、スペイン語版Wikipediaを参照しました。
wikipedia 様より
食虫植物として有名なウツボカズラ属やハエトリソウとは異なり、高緯度(赤道から離れている)所にも生息していますね。
以前の問題として、このマップを見る限り日本全域も生育範囲なので、調べる必要がないような気がしてきました。。
ついでに、下の図が中国からブータンを経由してインドにかけての食虫植物ムシトリスミレの生育範囲(緑の部分)と、その周辺の航空写真です。
wikipedia 様より 先ほどの生息域をクロップした画像
航空写真で見ると、乾燥していそうな所にも生息している事が分かりました。
個人的な思い込みとして、食虫植物は比較的高温(25℃~30℃)で多湿(50%以上)という熱帯のような環境下で育てなければならないと考えていました。
種類にもよるのでしょうが、ムシトリスミレは想像よりも逞しい植物なんですね。
ご参考までに、ウツボカズラ属とハエトリソウ(ハエトリグサ)の生息域も紹介します。
2.食虫植物ムシトリスミレの生育温度・湿度目安の考察(日本と3つの国との比較)
ずいぶん生育範囲が広いので、東京と、日本以外の国から3か国適当な所を選んで、気温と湿度を調べてみました。
日本 東京 <中緯度・沿岸>
【気温】
1 年を通して、気温は 2°Cから 31°Cに変化しますが、-0°C 未満または 34°C を超えることは滅多にありません。
【体感湿度レベル】
1 年間で最も湿度の高い期間は、6月11日から 9月29日の 3.6 か月で、その間の快適性レベルは少なくとも 23% の間、蒸す、蒸し暑い、または不快です。 1 年間で最も蒸す日は、8月8日で 91% の確率で蒸します。
Weather Spark 様より
メキシコ メキシコシティ <低緯度・比較的沿岸>
【気温】
1 年を通して、気温は 6°Cから 27°Cに変化しますが、3°C 未満または 30°C を超えることは滅多にありません。
【体感湿度レベル】
年間を通してあまり変化せず、実質的に 0% で一定です。
Weather Spark 様より
ブータン ティンプー <低緯度・内陸>
【気温】
1 年を通して、気温は -2°Cから 22°Cに変化しますが、-6°C 未満または 24°C を超えることは滅多にありません。
【体感湿度レベル】
年間を通してあまり変化せず、実質的に 0% で一定です。
Weather Spark 様より
グリーンランド ヌーク <高緯度・沿岸>
【気温】
1 年を通して、気温は -11°Cから 10°Cに変化しますが、-18°C 未満または 13°C を超えることは滅多にありません。
【体感湿度レベル】
年間を通してあまり変化せず、実質的に 0% で一定です。
Weather Spark 様より
こうやって比較すると、日本はずいぶん蒸し暑いんですね。
東京以外の3都市は体感湿度レベルはほぼ一定の0%です。
それぞれの都市の最高・最低気温の差も、年間を通じた温度変化も大きいですが、
3.食虫植物ムシトリスミレの生育条件の結論
食虫植物ムシトリスミレは逞しい。温度は氷点下から30℃程度まで、体感湿度レベルは0%から91%まで耐えそう。
ここまで調べておいて経験論を話しますが、2018年の気温40℃前後の夏を乗り越えるくらい逞しいです。
直射日光が当たったためか若干葉っぱが赤くなりましたが、今(2018/11上旬)は新しい緑色の葉をつけています。
本当に氷点下になっても大丈夫なのかは、我が家の食虫植物ムシトリスミレの越冬を見守ってからまたご報告します。